今回は、自転車パーツの栄枯盛衰というと必ず語られる SunTour サンツアーのお話。
自分にとっては、ここに掲げたロゴが「サンツアー」です。
時代。
まず、製品に添付されていた取扱説明書。
リヤディレーラーから
フリーホイール
シフトレバー。
リヤディレーラー。
軽合金のVシリーズ。
ランドナー派なので、主に V-GTを使っていました。
ここにはV,V-T,V-GTと記載されていてそれが正式な製品名であるようなのですが、当時実際には「VラックスGT」とか「VGTラックス」と呼ばれていました。
上掲の取説の製品画像を目を凝らしてみると "SUNTOUR V-GT LUXE" と刻印されていますよね。
そう、もちろんスラントパンタです。
当時のシマノはまだパテントの関係で使えず、CLANE とかは「サーボパンタ」と言っていました。Bテンションスプリングがあることをそう呼称していたわけです。
サンプレックスなんかもおんなじだったんですけどね。
フロントディレーラー。
スパート、コンペV、SLの3機種がありました。
すべてトップノーマル。
昨今はローノーマルばかりですよね。
トップノーマル/ローノーマルの違い、わかるでしょうか?
シマノさんのXTRとかでRDがローノーマルだったことがありましたよね。
そして、自分が使っていた「SL」は、チェーンガイドプレートが軽合金でした。
Campagnolo Chorus の FD のガイドプレートがアルミ製でしたが、それ以外では見たことがない気がします。
続いて製品カタログ。上掲の時代より遡って
1972年版。
日本語が一切書かれていないので、おそらく海外向けのカタログなのではないかと考えます。
「8.8.8.」が前田工業を示します。
ちなみに島野さんは「3.3.3.」でした。
製品一覧。
クランクとかブレーキとかはないのか? って。
むろん、そんなものは作っていなかったのです前田工業さんは。
VとV-GTだけが軽合金(V-Tはまだありません)。
「オーナー」とか懐かしいですねぇ。
そしてスキッター。赤いボルトカバーがチャーミングだったなぁ。カタログの写真が白黒で残念。
左下は「スラントパンタ」の説明。
This epoch-making mechanism is patented in Japan, U.S.A. and European countries. と書かれております。
4速以上がボスタイプ、3速以下はフラッシュタイプみたいですね。
フラッシュタイプが何かわからない? そうかぁ…
左ページ右上の PROCOMPE が高級品で金色。
「パーフェクト」とかいう名前はまだなかったのかな。国内専用の名称だったのかな。
この頃は皆さん大好き「パワーシフト」機構はまだサムシフターだけに使われているようですね。
パワーシフトではなく "MIGHTY SHIFT" だったようです。商標の問題かも。
バーエンドコントロールが存在していたことに感動。
その他アクセサリー
フレームのエンドも作っていたんですね。これは知らなかった。
ストレート・ドロップアウトエンドはまだ登場していなかった時期。
そして、ここ重要です。
前田工業は「サンツアー」ブランドの自転車部品ばかり作っていたわけではありません。
本業は機械部品でありました。
ではまた。
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