2024年8月11日日曜日

クロモリ・ロードバイクへの遥かな道程。悠久の時の流れ。

ハロー皆様

突然のBLOG記事投稿。

さて、クロモリのロードバイクを買おうと思い立ったのですが、なかなか買えない。
という物語を綴ろうと思います。

買おうとしているのは、Panasonic のPOS(Panasonic Order System)「カスタムオーダー」っていうモデルです。

何年か前は、ロードバイク人生の最後は
Cinelli SuperCorsa かなやっぱり? このブログ的に
と思っている時期もありました。
2024年の国内正価 440,000円(税込)
前回記事にしたときは 290,000円だったんですよ。

そしてその後、
「人生最後だったら、チタンなんじゃないの?」ということで
Panasonic FRTC22 を検討したこともあります。
当時の価格は 240,000円。
事故負傷とかコロナ禍とかで買うタイミングを逸してしまいました。
2024年のいまはFRTC23Nとなって 272,800円。しかもフロントフォークなしです。

そんなこんなで。
さようなら、新しいロードバイク。」…成仏できていたはずでした。

が。
「チタンは一生モノ」とか言いますけど、よく考えたら
「今となっては、自分より自転車のほうが長生きしても意味ないよね?」という年齢であることに気づきました。素晴らしい老人力。

なので、Panasonic のクロモリ・フレーム、通称「パナモリ」を買おうと思い立ちましたのです。
これは FRCC34。
所有しているアルミとカーボンのロードバイクはどちらもカーボンフォークなので、せっかくクロモリを買うのならばクロモリフォークにしよう。それも、頑丈そうなCOLUMBUS MAXではなく、愛らしい細身のフォークで。
このモデルはダウンチューブも「普通の細さ」。
剛性至上の俗世から隠遁するのにふさわしいのです。
2024年モデルの正価は 157,300円(税込)
以前取り上げたときは FRCC32 110,000円でした。

あ、でも「以前取り上げたとき」の価格は、どれも税抜価格だったかもです。

そして「どこで買えばいいのか問題」再発。

パナソニックサイクルテック株式会社 さんのサイト 販売店検索でPOS取扱店を調べてみると。
以前は出てこなかった、近くの自転車屋さんが出てきました。
スポーツサイクル取扱店としては最寄り、単純に自転車屋さんとしても2番目に自宅から近いお店です。
TREKの看板が出ているので、2001年に買った(他店購入の)TREK8000に乗って2010年頃に立ち寄ったら「ウチでいいんですか?」と言われてしまい、自転車業界の厳しさを噛み締めた思い出ありです。

23年前に他店で購入した罪はそろそろ時効かと思うので、覗きに行くことにしました。

まずは、リコール対象ながら休眠中なので放置していた、シマノULTEGRA FC-6800 クランクの点検を頼んで、国交樹立のきっかけにしてみました。

7月6日(土)
事前に電話したときは「すぐ点検できますよ」ということだったけど、実際に持っていくと「預かるので夕方取りに来て」だったのはいいとして。
クランクはしっかり洗浄されて帰ってきました。
筆者「POSの取り扱い始めたんですね?」と聞いてみたら
店「そんなの前からやってるけど?」だそうです。
苦情はパナソニックさんにお願いします。

で、「パナモリに興味があるんだけど、色見本とかありますか?」と聞いてみたところ、
バインダー形式のが出てきました。いやーこれ古いやつですよね?
パイプの色見本があるはずですよね?

でも、来週まで貸し出してくれました。「いいのか?」と思いながら、ありがたくお借りして来ました。
画面では色が正しく伝わらないことはご理解いただいているかと思います。
色が選べすぎて悩みに悩む。ようやく「この色では…!?」と決めかけると、古い見本なので今は廃番になっていて選べなかったりして退屈させません(笑)

そして翌週。
「よぉし発注しに行くぞ!」

7月13日(土)
おおぅ。色見本いつ返せばいいんじゃ。

ネットで情報収集してみると、トライアスロンの遠征とかでたびたび不在にするタイプのお店のようでした。WEBサイトの更新は 2016年3月で止まっています。移転先BLOGの記事は3件だけで2024/01/13が最新。

7月15日(月)
したらば、前に1度だけ行ってみたあの店に行っちゃおうか? と思ったものの
終日 雨天予報なので自重しました。

7月19日(金)
タイヤが届きました。
Panaracer の新しいタイヤブランド AGILIST が Amazon.jp のプライムセールで値下げされていたので「パナにはパナを!」と思ってうっかり買ってしまったのです。

7月20日(土)
色見本を返却。
購入意思を伝える。
店「申込書類と、最新版のカタログを用意します。月曜日には届きます。届いたら電話します。その後、サイズ等は測定して決めましょう」
ということで待機開始。

パナモリを組むならば、大半のパーツを Cinelli Experience さんから移植することになるので、思い出づくりにお出かけ。

7月21日(日)
同じく

7月27日(土)
一向に電話がないので、当方から電話してみる。
店「コロナにかかってしまい、手配できませんでした。すぐ申込書類と、最新版のカタログを手配します。月曜日には届きます。届いたら電話します」
筆者「いや、月曜に電話もらっても取りに行くのは週末になりますよ?」
店「でしたら、届きしだい郵送します」
引き続き待機


7月31日(水)
久しぶりの東京出張

8月3日(土)
郵便が届く。結局週末やん。
(封筒にも中身にも差出人が書かれてないのはビジネスマナーとしてどうなのでしょう)
P.O.Sご商談用チェックシート(ご販売店様用)
これ、顧客から要望を聞き取って販売店が記入する書式ですね。
そして、この書類のみでカタログは入っていない。

8月4日(日)
カタログがないので、パナソニックサイクルテック株式会社 さんのサイトを見ながら書式に記入してみる。
(不備があったらお店でチェックしてくれるよね普通)

8月10日(土)
記入した書類を持って訪店。
店「ありがとうございます。こちらで発注します」
筆者「いやいや。署名欄はまだ空白にしてるけど? それと、サイズは測定するということだったのでそれも空白にしてますよ?」
店「!」

(書類全然見なくて大丈夫なんですか… 客が書いた記載事項も確認しなくていいのかなぁ)


こういう「POS専用スケール」が出てくると思っていたのですが、Anchor のツールで股下を測ってくれました。ほぅ。
導かれたフレームサイズは、自分が事前に想定していたのと一致しているので違和感なし。
では!
店「発注手配しておきます。メーカーが盆休みなので、少し日数がかかると思いますが、届いたら電話します」

パナソニックサイクルテック情報では「WEBオーダー画面(POSショップ専用画面)」というのがあるようなので、確認用に発注内容をプリントアウトしてくれる。というものかと思っていました。全然違いました。「確認」というワードとは一貫して無縁でした。
顧客別のURLから、WEB上で自分の発注した商品の製作進行状況が見られる、というのがイマドキだと思いますが、まぁそこまでは望みません。

cobachan出演のPOS販促動画ではショップでコンサルティングとかもしてくれそうな印象でしたが、実際はかなり違いました。
自分で書いてきた「ご商談用チェックシート」を手渡すだけ。
通販(EC)で自分で発注したほうが必要事項を確認できて安心感がある。というのが現実。

筆者「そういえば、せっかくなので記念にカタログください。」
店「いや、今年のがなくて古いのしかないですけど」
筆者(最新版を取り寄せるって言ってましたよね…)
CATALOG 2023

発注完了!

最初のアプローチからクロージングまで5週間。

今後の予想(あくまでも予想です)
筆者「あれから2ヶ月経ったけど、まだ電話がないんですが?」
店「お盆明けにメーカーに発注しようと思っていたら、すっかり忘れていました」

そして何よりも。
一言もお値段の話をしていないんですけど。
書式にも表記欄なかったし。
だいじょうぶなんですか。
そのうえで「予約金をいくらかお預かりさせてください」とか、言わなくていいんですか?

こちらは、値切ったりする気はあまりないので、メーカー定価以下であれば別段気にしませんけど…。

波瀾万丈。
冒険は、つづく。


***追記***

カタログは、(もう8月ですけど)まだ2024版が作られていないことが判明しました。
販売店に責任はありませんでした。訂正してお詫びします。

しかし。パナソニックさん。
「参考」「※2024年度商品ラインナップとは異なります」
ならば、掲載するべきではないと思いますよ。注記で済むことと、そうでないことがある。
そんなこともわからなくなってしまうぐらい、日本企業が劣化してしまったということでしょうか。

パナソニックサイクルテックのWEBサイト、さらに。
取扱説明書のPDFが提供されています。しかし
2年前のモデルまでしか掲載されていません。顧客が見えていない仕事ぶりですね。

そういう目でこの動画を見ると、腑に落ちます。
僕も、いくら待ってもカーボンフォークが調達されないので「パナチタン」を諦めました。

たのむぜ。

【クロモリ】 シリーズ < Schwarzwald-Serie >
  1. クロモリ・ロードバイクへの遥かな道程 (7/6 - 7/20 - 8/10)
  2. クロモリ・ロードバイク、どのパーツで組むか (8/16)
  3. フレームを迎えられるように歓迎の準備をする (8/19)
  4. ロードバイクと台風10号とアマゾン・スマイルセール (8/31)
  5. あれから1ヶ月。心配事が突然増えて不安になるのよ (9/11)
  6. シマニョーロは古来より伝わる伝統芸能 (9/13)
  7. 事態の推移を緊張感を持たず注視 (9/18)
  8. 左右チグハグレバーに人権はあるのか (9/25)
  9. とうとうお話することがなくなりました (10/1)
  10. 本日で、発注から暦日で2ヶ月を経過 (10/11)
  11. Panasonic(POS)を発注することはあまりにも難しかった (10/13)
  12. これは自転車業界の闇なのか? (11/9)


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2023年10月30日月曜日

所詮は、業界紙。サイクルスポーツ誌

ハロー皆様

いや、期待はしていなかったですよ。
やっぱり、ですよ。

すっかり発売日を忘れていた「サイクルスポーツ」 2023/12 号。

キャンプ道具の話はさぁ、「BE-PAL」とかに任せておけばいいんじゃないのかなぁ。

という話ではなく、コレです。

例の、シマノ様のクランク問題。
シマノの公式発表をそのまま載せているだけ。

シマノの広報部門ですか? という感じですよね。

読者として想定している自転車ユーザーのことを考えるのならば、

点検って、何をしてくれるの?
点検を受け付ける店はどんな店で、どのぐらいあるの?
点検後にトラブルが発生する心配はないの?

といった情報を調べて発信するのがメディアの役割ではないかと思うんですけどね。

さらに言うのならば
「なぜ、海外と日本国内で対応が違うのか!?」
「新聞広告等で広く呼びかけなくて良いのか?」
といった追求があってしかるべきだと思うのですが、もちろんそんな姿勢があるはずもなく。

マスメディアがあてにならないので、上記のような情報はユーザー有志諸兄が調べてブログやSNSで発信してくださっているわけです。

ちゃんとしたメディアであれば、
「シマノを直撃取材! なぜ欠陥パーツが作られたのか!?」
といった特集記事が組まれるようなことも期待するところですが、サイクルスポーツ誌にそんなことを求めるのは野暮というものです。

シマノ様の逆鱗に触れることなんて、できるはずがないではありませんか。

おや? この記事は!?
「この大馬鹿野郎! アホ! 金返せ!」という書き出し。
これは! と思いましたが、ぜんぜんクダラナイ記事でした。金返せw

問題の製品、発売時はもちろんサイクルスポーツでは絶賛していました。

FC-9000 のときは
こんないい感じの表紙の 2012/8 号で
剛性を犠牲にせずに4アーム化しつつ軽量化って、技術的に相当レベルの高いことだと思う。
そうね、その通りですね。

FC-6800 は
なぜか Paul Smith が表紙の 2013/7 号で

いつものチョウチン記事を載せていたわけですよ。
でも都合が悪いときは沈黙。

「報道しない自由」ってやつですか?
 
わかるんですよ。
この業界は持ちつ持たれつ。
お互い、うまくやって行きましょう。
読者? ああ、いいんですよ気にしなくて。
雑誌にとって最重要な顧客は広告主様なんですから。

最近、似たようなニュースで世間が賑わいましたよね。
重要なコンテンツを提供してくれる企業には、メディアが忖度を極める。

ジャニーズ事務所とテレビ局? いや、それと同じとは言っていませんよ。
かたや醜悪な性犯罪。死者は出ていない。
かたや少なくとも製造物責任で、今後最悪の場合過失致死ですからね。

さらに付記すると、
痛ましい事故のあったツール・ド・北海道。

あの事故について検証記事ってありましたっけ?
「中止を発表」しか見ていないような?


シマノもツール・ド・北海道も「業界の仲間」なのでしょうけれど、だからこそ失敗を検証し、被害の拡大や再発を防ぐために ときには厳しく事実を明らかにする。

「業界紙」だからこそ、期待したい気もするのですが。

大丈夫なのか、日本。

ではまた。



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2023年9月23日土曜日

涙なしには読めない。シマノ家のクランク ULTEGRA FC-6800の物語。

ハロー皆様

それは、2016年のことじゃった。
もう7年前になるんじゃのぅ。

ある日のことじゃった。
おじいさんが、BULL SHIT JOBS から帰ってくると

英国方面から、大きな箱がどんぶらこーどんぶらこー、と流れついておったんじゃ。

箱を開けると、中には玉のようなクランクが入っておった。

PBKとかいう、アングロサクソンの鬼が安売りをしおったんじゃ。
おじいさんは、まんまと騙されてしもうてのぅ。

喜び勇んで取り付けたのがこれじゃ。
自転車は Cinelli Experience じゃった。

最初についていた FSA のクランクは外されてしもうたんじゃ。
哀れなものじゃのぅ。

シマノ ULTEGRA FC-6800 クランクは Cinelli Experience と結ばれ、
幸せに暮らしておった。

ところが、じゃ。

ある日のこと、

また 大きな箱が流れ着いたんじゃ。

大きなつづらには、カーボンフレームが入っておった。

はて。これはもしや…

思った通りじゃ。
FC-6800 クランクは、Cinelli Stratofaster に付け替えられてしもうた。
生木を裂くような仕打ちじゃ。
Experience と仲睦まじく暮らしておったのにのう。
まことに切ないことじゃ。

じゃが、一緒に暮らし始めてみれば、そこは男女の仲じゃ。
連れ添ううちに互いの気持ちは溶け合っていった。
そういうものじゃ。

これからは、そんな平凡だが穏やかな日々が続いていく。
皆がそう思うておった。

そんなある日のことじゃ。

また、箱が届いた。

今度は、Merlin の悪だくみじゃった。

結果

ULTEGRA FC-6800 クランクは取り外され、
Campagnolo CHORUS にその座を奪われてしまったんじゃ。

よもや、自分がFSA のクランクと同じ憂き目を見ようとは。
これが因果応報と申すものでござろうか。

「すまぬ。ワシを許しておくれ…」おじいさんは手を合わせた。

ULTEGRA FC-6800 クランクは気丈にも
「おじいさん、心配しないでください。Experience のもとに帰ります」
「そうしてくれるかのぅ…。すまぬのぅ…。」

ULTEGRA FC-6800 クランクは、傷ついた心を隠して Cinelli Experience を訪ねたんじゃ。

ところが、じゃ。
突然訪ねて驚かせてはいけない。
そっと Cinelli Experience の姿をうかがうと、

なんだか様子がおかしいんじゃ。

ああ。なんということじゃ。


Cinelli Experience は、妹のシマノ105 FC-5800 と暮らしておったんじゃ。

ULTEGRA FC-6800 クランクは、そっと身を引くしかなかった。
このような哀しいことがあってよいものじゃろうか。


それからというもの。
ULTEGRA FC-6800 クランクは、自転車に装着されることもなく 
元箱の中でひっそりと暮らしておったんじゃ。

時おり、おかしな噂が聞こえてくることもござった。
じゃが、ULTEGRA FC-6800 クランクの心には一点の曇りもなかった。
いやしくもシマノ家の血を引く者に、そのようなことがあろうはずもない。
「世迷い言を申すでない。」

一途に信じておったんじゃ。


突然の知らせが届いたのは、つい昨日のことじゃった。



「これは何?」

クランクは、それでも疑うことを知らなかったのじゃ。

「なにかの間違いに決まっています。 
 どうぞ、わたしを箱から出して調べてみてください。」

クランクは、静かに衣を解いてその身を委ねた。

対象製造刻印 NE と、NF。

【接着された箇所が剥がれ、隙間や段差が発生する可能性がございます】


世界が、音を失った。色を失った。

クランクにはもう、何も聞こえなかった。何も見えなかった。


その背後では、日本の製造業の品質神話が、音を立てて崩れていった。


ー 了 ー





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